恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~


「行こうか」

「はい」葛城さん、素敵。

「ずいぶん待たせちゃったけど、何か嬉しそうだね」

「はい。待ってるの楽しいですから」

なにしろ、一人でいるのは苦になりませんので。

「待ってるのが楽しいだって?」

驚いたっていうのを通り越して、不思議な目で葛城さんは私を見ている。

「変ですか」

普通は変だと思うか。

何時間でも時間つぶせますっていうのは。

つい、うっかりと口に出さないようにしなければ。

「いいや。俺のいない時間を、一人で楽しんでくれると助かるよ」

真に受けてはいけない。

社交辞令の時もある。後でメモしなきゃ。

「はい、全然平気ですから。ご心配なく」


いいな。

こんな彼、欲しいと思ってた。

微笑んで、さりげなくトレーを引き取って片付けてくれた。

この人は、いつも完璧。

こっちのパターンはできた。


彼は、もたもた支度してる私を、店のドアのところで待っていてくれる。

いきなり恋人が出来てるなんて、なんか不思議な感じがする。


普通は、こんなふうになるまでたくさん時間が掛かるのに。

それに、これまで私が経験した恋愛って、いつ始まって終わるのかはっきりしなかった。

こうなふうに、今から始めますよっていうのはなかった。

何となく親しくなって、あっという間に離れていってしまう。


『もっと、コミュニケーション取った方がいいよ』
そういって、親切な友人は教えてくれたけど。

あとで、私にはコミュニケーションに問題があるって事なだと気が付いた。

でも、問題があると認識しても、どこをどうしたらいいのか分からない。


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