お兄ちゃん、だめ... そんなとこ…かじっちゃだめ…
あぁ。
幼い頃の私が笑っている。

お兄ちゃんとブランコに乗りながら笑っている。

「未央、楽しいか?」

「うんっ!楽しーい」


お兄ちゃんも笑っていた。

私を優しい瞳で見つめながら、笑ってた。


「未央…」

後ろから聞こえた声はどこか酔っているような、甘い声色で。

なんだろう、と
私は振り向こうとした。

その瞬間ーー
膝の上に乗せていた私の背中をお兄ちゃんが、力強く押した。

「いぎゃァ!」

そのままの強い力で私は地面に叩きつけられた。
痛みはない。

だけど足も手からも血が出ていた。

「えーんっ!痛いよぉ、ヒック。ヒック」

泣き出した私を見下ろしてお兄ちゃんはまたあの妙な視線を送る。

そして言ったの。

「×××××××××」
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