お兄ちゃん、だめ... そんなとこ…かじっちゃだめ…
ーーそこで目が覚めた。
視界に広がるのは、みなれた真っ白な天井。


夢だと分かった瞬間
私は無意識のうちにホッと安堵の息を吐いていた。


よく見るこの夢の内容は実際にあった私とお兄ちゃんの昔の出来事だ。

けれどもあそこまでしか覚えていないし、夢もそこまでで終わる。


お兄ちゃんが何を言ったのかも覚えていないし、分からない。

どうしてあの夢ばかり見るのか分からないけど、目覚めは悪いのは確かで。


私はハァとため息をついた。


もう見たくないと願えば願う程この夢を見ている気がしてならない。

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