雨を待ちわびて

はぁ、もう、朝になってる…。話してたらいつの間にか眠ってしまったんだ。…片霧さん。仕事に行ってしまったんだ。
…はぁ。
…。


「あ、お早うございます」

「先生…」

「花瓶の水を換えて来ましたよ」

「有難うございます」

あ、…。先生が頬に触れた。

「…よく眠れたようですね。顔色も、顔付きも凄くいい…」

「あの…」

「ん?」

「夢を…見たんです」

「はい」

「片霧さんの…」

…。

「ほぉ、そうですか。…それは。だから、こんな…いい顔をしているのかな?怖い、嫌な夢じゃ無くて良かったですね」

…ちょっと恥ずかしい夢だけど。お風呂で片霧さん裸だった、私、見てないはずなのに。

「あの、ここへは?」

「あぁ、運んだのは僕ですよ…残念ながら。
朝まで二人で寝ていましたが、片霧さんも、時間ギリギリ迄、居ましたので。僕が引き受けました、まだ寝かせて欲しいと言ってね」

ぁ、あのままずっと二人で寝ていたんだ。
だから、その余韻で、片霧さんの夢を見たのかも知れない。温かかった。

「はぁ…有難うございました」

「もう少し後で朝食にしましょうか」

「あ、はい」

「良かったら、僕と一緒に食べてみませんか?僕は今日は夜勤明けで、今はもう、勤務時間外になってます」

「あ、…なんて言ったらいいのか。すみません、色々、余分な事までして頂いて。すみません、有難うございます」

「いいえ、何も。それで、いいですか?ご飯、ご一緒しても」

「はい」

「では、僕のもここに持って来ましょう」

先生…。よく見たら白衣じゃなかった。
VネックのカットソーのTシャツにカーディガン、スラックス。
普段着?

「ん?ああ、これ?もう、シャワーも済ませて着替えてます」

きっとジッと見てしまっていたんだ。

「…すみません、…何だか」

「いいえ、では待っててください」

「はい」
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