雨を待ちわびて

「お疲れ様です」

「うっす、やっと来たか」

「はい、交替です。上がってください。どうです?何か動きはありましたか?」

「いいや、至って何も無かった」

「平穏でしたか」

「はぁ、あ、ふ」

「石井、眠そうだなぁ」

「はい、もう…片霧さんが寝かせてくれなくて…」

「あ゙?…」

「…相棒も長くなると、そうでしたか…アッチも相棒ですか?片霧さん相手だと、嘸かし…」

「……石井ぃ、てめぇが、妙な事言うから…」

「だって、事実、寝かせてくれなかったじゃないですか。交替だって言いながら、寝そうになったら、わざと起こすんですから」

「ハハハ、ただふざけてただけですか?いや〜、…これは…下衆の勘繰りをしました。失礼しました、ハハハ、そうですよね、ハハハ」

「こいつが悪いんだ、さも意味ありげに言うから、な、石井」

「事実は事実です…」

「今から眠れるだろ?その為の休みだ。引き上げるぞ」

「お疲れ様でした」

「じゃあ、頼む」

ふぅ。完全なる朝帰りだな。人の波と逆流だ。



「……ただいま」

…。

風呂に入るか。
ん?溜まってる。
直、朝風呂にでも入ったか。まあ、いい。入るか。

ふぅ。はぁ……眠い。石井の比じゃない。俺も眠い。

…。

……おぉ、…寝るところだった。顔が浸かったら簡単に死ぬぞ。
ん、ん。上がるか。バスタオルを腰に巻き、出た。

「お、…直」

「お帰りなさい、お疲れ様でした。食べられそうだったら食べてください。要らなければ、そのまま置いておいてください」

「風呂、入れといてくれたのか?」

「はい」

「これも?」

「はい。…内緒で行動を知らせてくれる人が居るので」

チッ…石井か。あいつしか居ない。

「直は?」

「私は未だもう少し寝ます」

「だったら俺も寝る」

後ろから抱きしめた。

「…仕事中もずっと欲しかった。夕べ出掛ける時から直が欲しかったんだ…」

「ぁ…駄目です。ご飯はいいのですか?」

「…食べるよ?…食べるけど…直が先。ご飯はずーっと後だ。優先順位はいつも直だ」

ヒョイと抱えられ、私はベッドに戻された。
朝早くからなんて…、思いつつも、変わらず求めてくれた事が嬉しかった。まだ、大丈夫だ。
< 81 / 145 >

この作品をシェア

pagetop