ALONE
『なんだよそれ?』



シュウジは微笑む。



『今日に備えた秘密道具や♪』



『…秘密道具?』



『まぁ着いたら見せるわ♪ほな行くで♪』



俺達は話しもそこそこに切り上げ



エレベーターへ向けて歩き出した。



押しボタンを押すとエレベーターが深いベルの音と共に開く。



行く先は5階。



黒服を仲介することなくアケミの場所へと向かう為、昨日と同じ手続きは踏まなかった。



《お客様としてなら歓迎するわ♪》



ひどくカンに障るアケミの微笑がフラッシュバックした。



冗談じゃねぇ。



兄貴を殺した件に関わっているであろう輩と飲むなんてお断りだ。


歓迎はいらない。


俺達が挑むのは戦い。


そこにどんな修羅場が待ち受けていようとも


何も気後れすることはない。


俺達は権力に屈しない。


俺達は染まらない。


俺達は交わらない。



例え時間をかけても…



酒が入ったグラスの中の氷のように



溶け合うことは決してない。



俺達に真実を。



そして奴等に…




制裁を。



エレベーターの扉が…






今開く。
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