ALONE
『…あのアホで敵を釣ろう言うんか?』




『…あぁ。』




シュウジはため息をつく。




『ジン甘いで。

そいつがミスったら俺らはどうなる思う?

そいつがおらんでも敵は既に動いとるんや。

ここはバクチ打つとこやない。

俺はそいつが殺されようが煮て食われようが知ったこっちゃあらへん。

何より…

俺はそいつに命預けとうない。』




確かに正論だ。




俺達はお互い忌まわしき過去と



半年間毎日寝食を共にし築き上げた絆がある。



しかし目の前で自分の行く末のみを案じている斎藤洋介が…



俺達に協力的であるはずもない。



それを例え俺達が望まなくても…




好ましくない結果を招く要因には十分なりえる。



シュウジはわかっているんだ。



決して頭を働かせていないわけじゃない。



シュウジは常に先を読む。



しかし俺は今目の前にあることを直視するだけで精一杯。



それが恐らく斎藤洋介が何者なのかを俺が気付いて



シュウジが気付かなかった理由だろう。



そこに優劣があるわけじゃない。



この関係性がベストなんだ。
< 287 / 306 >

この作品をシェア

pagetop