ALONE
人間は自分の既成概念ってものにとらわれてると自らの選択の幅を狭めてしまうことになる。





ルールも既成概念と同じ。





テコンドーは下段への攻撃を厳しく禁止されている競技だ。





実際シュウジの攻撃は腰から上ばかりに集中している。





それが全てを物語る。






俺はそこに勝算を見出だした。






つまりシュウジが過去に経験した競技への意識の執着が…






下段攻撃の観念を押さえ付けているのなら







また自身の下段への守備の意識をも希薄にさせるはず。







空を切り続ける俺の拳。







恐らくもう30はパンチを繰り出したはずだ。






いつの間にか俺は息を肩でしていた。







そろそろ勝負に出ようか。







俺の拳に十分見慣れた今が頃合い。







よけ続けるシュウジの足のステップも次第に重くなってきたようにも思える。







好機は今。







俺は一世一代の









賭に出た。
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