ALONE
またしても空を切る俺の拳。




しかしそのあと俺は瞬時に方向を戻し






シュウジの太腿のあたりへ






強烈なタックルを仕掛けた。






予想通りシュウジは俺の拳以外の攻撃を受けた意外さと





下段の受け身の対処に遅れ





俺より1テンポ完全に遅れた。







俺はこのままシュウジと倒れマウントを…






とるはずだった。






だが俺の策略は一瞬で浅はかな考えであったと気付く。






倒れない。





というか倒せないんだ。






まずマウントをとろうにもシュウジの下半身はあまりに強靭で俺のタックルにビクともしない。






加えて俺のスタミナ切れ。







『ジン…残念やったなぁ。』






俺の頭はシュウジの足元に固定されていたためその顔を見ることは出来なかったが






恐らくその時






間違いなく嘲笑の笑みを浮かべていただろう。






そしてシュウジはノーガードの俺の背中に






またしても右手と左手を絡めた特大の拳を






叩きつけた。








そして俺は今日二度目の地面とのキスを経験した。







辛酸を舐めるとはこのことだ。






が、






次の瞬間俺の頭に浮かんだ2文字は






敗北ではなく






勝利だった。
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