ALONE
偶然の産物。






しかし最初にして訪れた最期の好機。






俺はシュウジの靴紐を






力いっぱい引っ張る。






片足が地面から離れたシュウジのバランスは当然崩れ





そのまま後ろに豪快に倒れた。





俺は素早くシュウジの上にまたがる。





シュウジはとっさに腕を伸ばすが






掴んだのは俺の胸倉。





つまりそこが奴の腕が届く限界点。





もうシュウジの拳は







俺には届かない。







俺は聞いた。






『何か…最期に言うことは?』





相変わらず肩で息をする俺。







シュウジはそれを聞くと







笑った。






お得意の嘲笑の笑みではなく







その時はただ






笑ったんだ。







『ハハ♪

あ〜…もうジンお前死ね!!』






俺もそれを聞いて表情を緩めた。








『…やなこった』








俺はそう言うと






渾身の右拳を





シュウジの顔面に







叩きつけた。








そう








シュウジに入れた最初にして最期のその一撃が














終わりのゴングとなった。
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