ロストマーブルズ
 自分が人と違うと思ったのは、決してハーフの外見だけが理由ではない。
 小さな子供の時から既に違和感を抱いていた。

 同じ年頃の子供と遊んでいてもしっくりこない。
 そして傲慢な自分の態度に気がついたのも、その頃だったように思う。

 ただ、アスカだけはジョーイを理解し、唯一気が合った友達だった。
 幼い子供同士だったのに、二人ともどこかませて大人びたそんな気がした。

 それともやはり全ては自分が作り出した幻影で、それを信じ込もうとしてそのような記憶を勝手に植えつけただけなのだろうか。

 自分の記憶すら信用ならない。

 しかし、例え幻であったとしても、アスカという存在はジョーイにとって一体何を意味するのか。

 この時もジョーイの頭の中にキノの顔がアスカとして現れていた。

 考え事をしている時に、突然肩を叩かれ、飛び上がるほどハッとする。

「おい、ジョーイ。どこ行くんだ。俺たちの校舎はこっちだぞ。前が見えないほどそんなに苛立ってるのか」

 トニーに何を考えていたかなど説明できる訳もなく、ジョーイは適当に返事してその場を誤魔化し、先を早足で歩き出した。

 トニーは何も言わないが、ジョーイの後姿を見ては溜息をつき、静かに後をついて行った。
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