秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「なにか手伝う」と言っていた彼だけど、遠慮しておいた。
豚肉の種類に悩んでくれただけで十分だ。


「悠里は料理をよくするのか?」


ソファで再び書類を広げた彼が、そう問いかけてくる。


「外食もお弁当もありますよ。でも、大学で実家を出てからずっとひとりなので、それなりにはできます」


帰りが遅いとさぼりがちになるけど、食費もかさむし、自炊も多い。


「お前、すごいんだな」


そんなに感心するところ?と思いクスッと笑うと、彼は「料理ができるのはポイントが高いんだぞ」とつぶやく。


「なんのポイントですか?」

「女としてのポイントだ」


時々挟まれるドキッとするような会話に、いちいち反応してしまって、手が止まる。


どちらかというと童顔で、二十五歳という年齢より低く見られがちの私には、女性としても魅力がたっぷりだとは言い難い。
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