秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「それじゃあ、また付き合ってやるよ」

「はい」


恋人でもない彼とどう過ごしたらいいのかと身構えていたけれど、意外にも楽しい。

私がフラフラと店に吸い寄せられると、彼もやってきて、勝手に私に洋服をあててみている。

なかなかなお気に入りを見つけられないまま、地下街から地上に出てしまった。


「あの、東郷百貨店に行ってもいいですか?」

「あぁ、もちろん」


私の行きたいところばかりで申し訳ないと思いつつ、やっぱりあそこは避けて通れない。


デパートのアクセサリー売り場に行くと、ヘアアクセサリーを物色し始めた。

これで終わりにする。
全部忘れる。


私がいくつかのバンズクリップを見ていると、「これは?」と彼が濃紺のリボンのついたクリップを差し出した。
小さなパールの飾りがさりげなく揺れて、かわいらしい。
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