秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「でも……」
「悠里はそのくらい傷ついたんだろ? お前を守るのが俺の役目だ」
伊吹さんの優しさに心が揺れる。
本当に甘えてもいいの?
「だけど、その前に上の階に行くぞ」
「はい……」
彼も見たいものがあるのだろうか。
そのままエスカレーターに乗りついていくと、彼は婦人服のフロアで足を止めた。
「来週、宮城不動産の予定が入っているな」
「はい」
私がセッティングを任された、聡さんの仕事だ。
「あれにお前も同行しろ。そのときに着るスーツを買ってやる」
「いえ、買わなくても!」
スーツなら何着も持っている。
彼を制したものの、私の言うことなど聞こえなかったかのように、スーツを真剣に選び始めた。
「これにするか」
彼は黒のノーカラージャケットを取り出し、私にあててみる。
それについているスカートは膝丈のタックフレアタイプ。