秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
忘れたつもりだった過去に、行く手を阻まれていたことすら気がついていなかった私に、しっかりしろと喝を入れてもらえた気分。
「『逃した魚は大きかったと、後悔させろ』か」
部屋に戻りスーツを手にして考える。
伊吹さんが記憶を楽しい記憶に上書きしてくれた。
あとは、その幸せを見せて、後悔させるだけ。
「頑張ろ」
せっかく伊吹さんがくれたチャンスを、逃すわけにはいかない。
その日は彼がいなくて少し寂しさを覚えながらも、眠りについた。