秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「お前、なんで……」

「仕事で来ました」


慌ててスカートのほこりをパンパン叩いたけれど、なかなか取れない。
せっかく伊吹さんが用意してくれたのに……。

常務のカフリンクスをギュッと握りしめ俯いた。
すると……。


「広瀬、探したぞ」


そこに伊吹さんが飛び込んできた。


「すみません。あの、これ……」


私がカフリンクスを差し出すと、彼は大きくうなずいた。


「よくやった」

「はい」


褒めてもらえたのに、泣きそうだった。
紳の前ではいい女でいたかったのに。


私の沈んだ様子に気がついたのか、「アイツか?」と伊吹さんが小声で私に囁く。
コクンとうなずくと、彼は私の腰を突然抱いた。


「悠里がお世話になったようで」


伊吹さんが突然そう言い放つからハッとすると、彼は余裕の笑みを浮かべて紳を見つめている。
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