秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
もしかして食事に行くということかもしれないけれど、冷蔵庫にあるもので作ることにした。
ある材料だけで作らなくてはいけないものの、ここは腕の見せ所。
まずは白菜と豚肉でクリーム煮を作り、その隣で豆腐の味噌汁をこしらえる。
そして、大量に作って冷凍してあった黒豆の煮物を解凍し、卵焼きに混ぜてみた。
これでほんのり甘い卵焼きの完成だ。
「あとは……」
こんなことになるなら、買い物に行っておけばよかった。
もうきゅうりの漬物しかない。
「質素かな……」
ひとりなら十分だけど、おもてなしとしては少ないかもしれない。
外で車が停まった音がして三階の窓から顔を出すと、やはり伊吹さんだった。
彼はその日の仕事内容に合わせて、車で出勤したり、電車を使ったりしている。