秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
普段、社長や聡さんに同行して、立派な料亭で食事をすることもある彼がそんなことを言うとは驚いた。
でも、昼食は忙しくて私が買いに行ったコンビニ弁当も多いし、意外と庶民派なのかも。
彼は慣れたように部屋に上がり、キッチンで鍋を覗き込んだ。
「味噌汁は豆腐が一番だ」
「よかった、お好きで」
具をチョイスしたわけではなく、豆腐しかなかったんだけど。
彼はソファまで行くとコートを脱ぎ、ネクタイを外す。
その様子があまりに自然で、新婚のような気すらして、無駄に心臓が高鳴る。
「悠里」
「はい」
その姿を呆然と見つめていると、突然名前を呼ばれてビクッと震えた。
「あれで、よかったか?」
紳のことだろう。
「はい。ありがとうございました」