秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「歩きながらですみません。こちら先ほどプレッスル食品から上がってきた本日までの実績です」
伊吹さんが聡さんに書類を手渡すと、聡さんはすぐに目を落としている。
私はその間に走り、エレベーターのボタンを押した。
「了解。プレッスルのことは大体把握してるから大丈夫」
聡さんが働いていた傘下の会社だ。
「このまま会議になりますが」
「そうだね。時間がない」
コーヒーを飲む余裕もない聡さんを見て、ますます申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
やがてエレベーターのドアが開き、ふたりを乗せると、サッとボタンの前に立つ。
「広瀬さん、完璧だったよ」
するとうしろから聡さんの声がした。
ちっとも完璧なんかじゃないのに……。
聡さんの優しさが胸にしみる。