秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

会社で失敗して叱られることはあるけれど、努力したことに関しては認めてもらえていることがちゃんとわかるから、また次に向かえる。

だけど……。


「悠里、来い」


食事の後片付けが終わると、必ず彼は甘い声で私を呼ぶ。
そして、ソファを背もたれ代わりに床に座ると、私を自分の足の間に入れて、うしろから抱き寄せてくる。
その体勢でテレビのニュースのチェックをするのがいつの間にか日課になった。


耳に掛かる彼の熱い吐息が気になってしまって、私はいつもニュースどころではない。
あのポーカーフェイスな秘書がこんなに甘い人だと、気づく人は誰もいないだろう。


そんな愛される毎日は、確実に私の心を奪っていった。


そして……あっという間に金曜日。
今日は接待で伊吹さんが遅くなる。

私は引っ越しの準備がしたくて、一度自分の家に帰ることにした。
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