秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

私より遅くなることの多い彼を部屋で迎えることも増えた。


「だって伊吹さんの体が心配ですから」


私が彼に勝てるのは、この瞬間しかない。

「はー」と落胆した溜息をつく彼は、それでもブロッコリーとイカの炒め物に手を伸ばす。


「どうですか?」

「あれ、食える」

「そうでしょ?」


にんにくを効かせて炒めたブロッコリーは、たっぷり使ったオリーブオイルのソースと絡めると、独特の苦みが消えて食べやすくなる。


「ブロッコリーがうまいなんて、初めて知った」


あんなに完璧に仕事をこなすくせに、ブロッコリーのことで目を輝かせているのがおかしくてたまらない。

彼と一緒に暮らすようになって、私は笑うことが増えた。
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