秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

高畑さんが指差したのは、私のデスクの横に置いてあった紙袋。
それは、ヨクイ堂の社長に持って帰ってもらうはずだった、プレッスル食品の商品の詰め合わせだった。


「すみません!」


面談のとき、聡さんの見事な営業トークの足を引っ張らないようにずっと緊張していたら、すっかり頭から抜けていた。


「詰めが甘い。聡さんが力のある人だからうまく回っているが、そうでなければ大損害を出すこともある。よく覚えておけ」


声を荒げるでもなく淡々と言われると、余計にキツイ。


「申し訳ありません」


高畑さんの言う通りだ。

他の役員についている秘書も、かなりの切れ者。
役員の足らないところをフォローするのが秘書の仕事。

それなのに、聡さんにフォローしてもらっている私って……。
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