秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
仕事で私を叱るときの目をした彼は、梶さんをじりじりと追い詰める。
「そうよね、ごめんなさい。あれ、全部嘘だから。伊吹に何人も女がいるとか……」
「お前、そんなことまで言ったのか!」
「あ、聞いてなかった?」
慌てふためく梶さんは、私に深く頭を下げる。
「ホントにごめんなさい。この人かなり堅物だから、そんなこと絶対にないよ? 私にはちょっと堅すぎて重くなっちゃったっていうか……もうちょっと楽な恋愛がしたかったのよね」
それで、別れたの?
真っ直ぐに愛してもらえるのは、この上なく幸せなことなのに。
「でも、別れてみて、伊吹の魅力がようやくわかった」
突然声のボリュームが下がった彼女の瞳が潤みだした。