秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「あぁっ、ああ!」


熱があるというのに絶叫してしまった。
本当に効くのかどうかわからないけど、これだけ痛ければ効いてくれなければ困る。


「とりあえずこんなところだ。よくなったら、むくみも解消してやる」

「あ、ありがとうございます」


むくみは女の敵。
だから解消してくれるのはうれしいけど、なにをされるかわからなくて、ちょっと怖い。


「あとは寝ろ」


布団をかけなおしてくれた彼は、ベッドの横に座り込み私の額に触れた。


「熱いな。無理しすぎだ」


顔をしかめる彼を見て『お前は仕事のことになると、自分のことを忘れる』と言ったことを思い出した。


そんな自覚はまったくない。
ただ、自分のできることはやり切りたいだけ。
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