秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
それに、高畑さんの方がずっと仕事に力を注いでいる。
「高畑さん、すみません。こんな迷惑までかけてしまうなんて……私、最低ですね」
ただでさえ忙しくて疲れている彼に、私のために時間を使わせるなんて申し訳ない。
「部下は、上司に迷惑をかけるものだ。それを受け止められないなら、上司とは言わない」
「高畑さん……」
そういえば、プレッスル食品の社長に手土産を渡し忘れたとき、自分のことのように聡さんに謝ってくれたっけ。
「ごめんなさい」
それでも、私に期待して引っ張ってくれたはずなのに、役に立てていないことが心苦しい。
「謝るな。俺はお前のその一生懸命さが、嫌いじゃない」
「えっ?」
彼は今までに見たことがないような穏やかな顔をして、私の額にかかる前髪をよけてくれた。