秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「悠里(ゆうり)はなににするんだ?」


「私は……」と言いかけたところで、冷凍庫を開けようとしていた手が止まった。

今『悠里』と聞こえた気が……。
彼に下の名前で呼ばれたなんて初めてだ。


「どうした?」


軽く固まっていると、彼は私のところにやってきて顔を覗き込む。


「い、いえ……。私はストロベリーにします」

「俺のことは伊吹(いぶき)でいい」


固まっていたことがバレている。

そうだよね。
あんなに洞察力の優れた彼が、気がつかないわけがない。

社長や聡さんがなにも言わなくても、その場の雰囲気で次に必要なものを次々と私に指示してくる。
そしてそれがほとんど当たっている。


「い、いえ。無理です」

「俺の言うことに従えないというのか?」
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