秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「昔のことですから」
「それならどうしてそんなに悲しげな顔をする?」
悲しげに見えてしまったのかな……。
もう過去の話ではあるけれど、あの出来事にきちんと向き合わずに宮城不動産を去ったから、モヤモヤが残っている。
「彼氏が私の親友とも付き合ってたんです。ただ、それだけです」
言わなければずっと追及されかねない雰囲気だったので、思い切ってそう口にした。
でも、いたたまれなくなって、使ったスプーンを持ち立ち上がろうとしたけれど……。
「ただそれだけ、じゃないだろ」
高畑さんが私の腕をつかみ、自分の方に引き寄せた。
そして、スプーンが床に落ちたのも気にすることなくそのまま私を抱き寄せ、「はー」と大きな溜息をつく。