秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「それだけ、じゃない。とても大切なことだ」


高畑さんにそう言われて、目頭が熱くなる。

今まで誰にも相談できなかった。
彼氏に二股をかけられ、挙句の果てにその相手が親友だったなんて、冗談かと思った。

しかも、親友の奈津(なつ)は、彼が私と付き合っていると知っていた。
略奪愛、だった。


「全部話してみろ。気持ちが楽になるぞ?」

「高畑さん……」


こらえきれず涙がこぼれ出した。

ずっとこうやって泣きたかった。
でも、わけもわからず信頼していた友人に彼氏を奪われ、あの頃は泣くことも忘れていた。

ただ茫然として、事実を見たくないという一心で、仕事に没頭した。

そんな頃、高畑さんにスカウトされた。


「ほら」


私の背中を優しくさする彼に押されて、私は口を開いた。
< 85 / 370 >

この作品をシェア

pagetop