秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「これでいいですよ」


買い物袋の中には、バラ肉が入っていた。
仕事はあんなに完璧なのに、豚肉に惑わされる彼がおかしくて笑いが止まらない。


「悠里、いつまで笑ってるんだ」

「笑って、ませんよ?」


と言いつつ、頬が緩んでしまう。


「笑ってるだろ」

「とんでもない!」


なんだか楽しくなってきた。
ガチガチに緊張していたのに、今はそうでもない。


「本当に体調は大丈夫なのか?」


どうやら過保護でもある彼は、それからキッチンに立った私にしきりにそう尋ねてくる。


「はい。たいしたもの作ってませんから、ご心配なく」


昼食は簡単にナポリタンスパゲッティ。
彼が笑顔で食べてくれたので、うれしかった。

私が皿を洗い終えソファに戻ると、伊吹さんはパソコンを広げて仕事をしていた。
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