笹に願いを
「おまえさ、仕事目線で俺んちチェックしてんだろ。目が輝いてるぞ」
「えっ?いやそんな・・・まぁ、ね?やっぱりお宅拝見って好きだし、私」
「知ってるよ。まぁ結局のところ、俺としては住み良い部屋なわけだ。55へーべーだからさ、掃除しやすい広さだし」
「そぅだねー」

白・黒・ステンレスのシルバーを基調とした中に、ターコイズブルーのベッドカバーやクッションが、さし色として映えている。
海が好きな天野くんらしい、ステキな部屋だ。

小さなバルコニーに出ると、遠くに海が見えた。
隣に立つ天野くんに「行くか」と聞かれて、私は「うん」と言って頷いた。

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