笹に願いを
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主治医の須藤先生が言っていたとおり、投薬をして15日経った頃から、脱毛が始まった。
最初は「あれ?なんか抜ける髪の量が多いな」程度だったけど、20日目くらいから、髪が抜け落ちるスピードが、急に早くなった。

その日の朝、私は、お風呂場にある洗面所に立っていた。
何気なく頭に触れた私の右手は恐怖で震え、その手には、髪の束が握られている。

この日が来るのは分かっていたから、心構えはそれなりにしていたつもりだった。
でも、実際に抜けた、大量の髪を見ると・・怖くてたまらない。
手に持っているそれが、自分の髪だというのも、余計恐怖心を煽られてる気がする。

小さくても無意識に上げていた私の叫び声が聞こえたのか。
天野くんは「どうしたっ!」と言いながら、洗面所に駆けこんできた。
彼は、私の姿を見てすぐに咄嗟に隠した私の右手に視線を移すと、また私の顔を見た。

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