笹に願いを
そして、義彦と結婚したことで、私には新たな家族ができた。
夫・義彦。彼のご両親。
そして彼のお兄さん、お嫁さん、彼らの2人の息子くんたちも、私にとっては新しい家族だ。
お義父さん、お義母さんには、入籍をするときに初めてお会いした。
ガン患者で治療中の身である私と結婚することに対して、義両親はどう思うだろうか。
不安が全然なかったと言えば嘘になる。
だけど義両親は、私を新たな家族の一員して、温かく迎え入れてくれた。
以降、特にお義母さんは、私のことをとても気にかけてくれた。
ちょくちょく電話をかけてくれたり。
投薬の日とその週、家で寝込んでいる私の看病をしに来てくれたこともある。
味覚麻痺で食欲がなくなり、料理を作る気にもなれない私と、時々仕事が多忙になる義彦のために、おかずを数品差し入れしてくれたことも、何度かあった。

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