オトナの恋は強引です!
「…仕事は?」とドラゴンに聞くと、
「それどころじゃないだろ。」と私を見つめる。

「お待たせしましたー。」
と呑気な声でクリームコロッケが運ばれ、
「竜二さん、サクラちゃんがここに居るって教えたんだから、褒めてよ。」とエプロン姿の少年が笑う。
「誰?」と見ると、
「この間、竜二さんが怪我した時に俺も浜にいたんだ。
サクラちゃん真っ青な顔で、竜二さんの名前を呼んで、助けて、フラフラいなくなった。
俺たちサクラちゃんが竜二さんを好きだって、そう言ってたんだよねえ。」とニコニコした。
私は顔が赤くなる。
余計な情報を流さないで欲しい。
もう、終わりにしようとしてるんだから。

「ユウスケは黙ってろ。」とドラゴンは機嫌の悪い声を出す。
「ユウスケ、おまえが食っておけ。」と私の手を強引に掴んで、立ち上がり、
私の荷物も持って、歩き出した。
いただきまーす。サクラちゃんまたねえ。と後ろで声がする。
「邪魔が入ると、ややこしくなる。」とドラゴンはどんどん歩く。

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