真面目で冷淡な彼が豹変するとき
「……さて、先輩。追試は休み明けの明々後日ですね」


そんな余韻を浸る間もなく、中邑くんは真面目な顔になって、いきなり私に現実を突きつけた。

その言葉に、ハッと我に返る。


……忘れてた。

想いが通じ合ったからって、浮かれている場合じゃなかった。



今日が金曜日で、土日挟んでの月曜日が追試の日。


昨日はあんなことがあって、勝手にショック受けて勉強してなかったから、私に残された時間は今日入れてたった三日。


教科書の指定された範囲は、まだ全部読み終わってないし、理解してないところもいっぱいある。



中邑くんが隣にいて教えてくれるのは今日だけ。

土日はひとりでやらなきゃいけない。



「そ、そうだね……。ど、どうしよう。あと3日でモノに出来るのかな」


不安になり、ついそんな言葉が出てしまった。






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