真面目で冷淡な彼が豹変するとき
「……113号室」


「え?」


「僕の寮の部屋番号です。寮の規則が緩くて、男子寮だけど入ることが出来るんですよ」



そう言った後、中邑くんは怪しい笑みを浮かべた。


中邑くんの、ちょっと危険な男の顔。

誰も見たことのない、中邑くんのもうひとつの素顔。


情熱的な瞳に、目を離せなくなった。



この先、何が待ってるんだろう。



ただ勉強を教えてもらうだけ?


それとも――……。






中邑くんは私の髪をゆっくりと撫でる。




――そして私の耳元に唇を寄せて、こう囁いた。




「……僕の部屋に、来ます?」




~完~
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