【完】素直じゃないね。


今年の夏祭りが、ちょうど追試験の日に被っていたのだけれど、なんとか免れられた。


今回のテスト勉強を頑張った最大の理由がこれ。


なんとご褒美が乃亜との夏祭りデートだっていうんだから、頑張らないわけにいかない。


上位には食い込めなかったものの、追試にならなかっただけで万々歳だ。


乃亜に関しては、テスト順位上位の常連だから、まったくもって心配してなかった。


乃亜が、嬉しそうに胸の前で手を叩く。


「浴衣準備しなきゃ!」


「の、乃亜たんの浴衣……!」


その響きだけで、鼻血モノ確定。

ケータイの容量十分確保しとかなきゃ。


「つかさちゃんも着るよね? 浴衣」


「乃亜が着るなら着ようかな」


浴衣なんて、何年ぶりだろう。

夏祭りに行くとしても、私服とか制服でばかり行っていたから、浴衣は久しく着ていない。


「あー、楽しみ!」


乃亜の浴衣姿も、夏祭りも、楽しみすぎて待ち遠しい。







< 103 / 409 >

この作品をシェア

pagetop