【完】素直じゃないね。
Chapter▷▷6
「俺の隣以外、禁止」
彼氏が、できた。
正真正銘、初彼。
しかも相手は、あの高嶺。
ううん、悠月。
あたし、悠月と付き合うことになったんだ……。
実感が湧かなくて、何度も頬をつねってみたけど、ちゃんと痛い。
夢みたいだけど、夢じゃなくて。
ふわふわした感覚でいたせいか、ベッドに入ってもまったく眠れず、すっかり寝不足だ。
「ふぁぁ、行ってきまーす」
大きな欠伸をしつつ、いつもより5分遅く家を出る。
まぁ、いつも学校に早く着いてるし、5分くらい遅れても余裕で着くよね……。
なんて考えながら、眠い目をこすって歩きだした、その時。
「おせぇよ」
聞こえるはずのない声が聞こえてきて。