女の秘密 -序章-



『ここは・・あぁ昨日』


目が覚めた時、ベッドで抱き合って眠っている男性を見て、昨日の事を思い出した。

馴染みのバーで一人で飲んでいたら、身なりの良い男が話しかけてきた。

初対面の人は疑ってかかるのだが、昨日の男は言葉巧みに警戒心を解いていった。

それでも、気をつけていた筈なのに、いつの間にか薬を盛られていた。

直ぐに気づき、トイレに行く振りをして、バーテンダーに裏口から逃がして貰ったのだが、思いの他ききが早く、タクシーを拾うことが出来なかった。


『後、数メートルだったのに』


そう思ったところで、ハッとした。
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