Amour éternel à vous



私たちの前まで来た翔くんは、ギロリと悠真さんを睨みつける。



「んで、何で悠真が萌ちゃんと一緒にいるわけ?」


「繁華街で一人でいるの見つけたから、危ないと思って声かけた。で、そのままそこにいるわけにもいかないからここに連れてきた、ただそれだけ」


「それだけって・・・普通は家に送ってってやるだろ?こんな時間まで連れて歩くとか、何考えてんだよお前」



私が“帰りたくない”とお願いしたことは伏せて、あくまで自分の意思でここへ連れてきたと主張する悠真さん。


それを聞いてさらに鋭く悠真さんを睨みつける翔くんに、居た堪れなくなった私は慌てて口を開いた。



「あ、あのね、悠真さんは何も悪くないから・・・!ここに連れてきてくれたのだって、私が帰りたくないってお願いしたからで・・・」


「・・家で何かあった?」


「それは・・・」



先ほどまでの表情とは一変して、沈痛な面持ちで私を見つめる翔くんからそっと視線を逸らす。


頭の中で何て答えようか考えていると、急に悠真さんがグッと私の肩を抱く。



「ゆ、悠真さん・・・!?」


「翔、俺たちもう行くから」


「おい、悠真・・・!」



翔くんの言葉に耳を貸すことなく歩き始めた悠真さんに、若干引きずられるようにして歩く。



あ、そうだ・・・



ふとあることを思い出し、頭だけ後ろを向けて翔くんに声をかける。



「翔くん、この事あずさには・・」


「分かった。何か聞かれたら俺から上手く言っとく。あっ、悠真に何かされそうになったら大声出して、すぐに助けに行くから」

もう何を言っても無駄だと悟ったのか、片手を挙げて見送ってくれる翔くん。

そんな翔くんに軽く笑みを返し、私は初めて緋焔倉庫へと足を踏み入れた。

< 12 / 12 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop