専務に仕事をさせるには
今日、専務は社長について大阪へ行っている。
お世話になった方が無くなり葬儀に出る為である。
なんでも会社が傾いた時に随分お世話になった方らしい。
私は久し振りに開発部2課へ顔を出した。
「お邪魔しまーす」
「あらとうしたの?」
自席に座っていた小野課長は書類から顔を上げ声を掛けてくれた。
「今日はボスが居なくて…何かお手伝いは無いかなぁって思いまして?」
小野課長は秘書課はそんなに暇なの? と、厳しい顔をする。
「アハハ…そんな事は無いんですけどね? 午前中は手が開いてるので…」
じゃ、お客様からのアンケートハガキの整理をしてくれる? と、言われ空いてる机を借りて送られて来たアンケートハガキの集計と整理をして居た。
前はアンケートの集計は私の仕事だったんだよね、今、誰がやってるのかな?
あれ?… え?これも… あっこれもだ…
もしかして…
私は専務の手帳を開き確認をする。
専務の手帳にはご丁寧に本名と源氏名が書かれていた。
うん、間違いない!
送られて来たアンケートハガキの送り主は専務の手帳に書かれていた人の名前が半数以上を占めていた。
そう言えば二年くらい前からお客様から送られてくるアンケートハガキが凄く増えていた。
お陰で商品を考えるヒントになって開発者は喜んでるしデザインを褒める内容が有ればデザイン担当者はそれを励みにして居た。
私は以前のアンケートハガキを取り出し確認すると私の思った通りだった。
手帳はこの為だったんだ?
でも何故内緒にしていたの?
初めから本当の事を言えば良かったのに?
「それ、気づいた?」
いつの間にか私の側に小野課長が立っていた。
「ひょっとして小野課長は専務が何していたから知ってるんですか?」