専務に仕事をさせるには

「瀬戸さんはほんと素敵な人ですね?」


え?


「雨で洋服が濡れるからでは無く、物件を汚す心配をされる。なかなかそこ迄考えてくれる人は居ませんよ?」


「そうですか?」


「ところで、先程の七瀬さんの奥様との話は本当ですか? お付き合いされている人は居ないと言うのは?」


七瀬さんが帰られる時、私は自分の無礼を詫びた。

その時、奥様からお付き合いされている人が居るかと聞かれ居ないと答えると、良い人を紹介してくれると言っていた。


「え? ええ…」


お付き合いしている人は居ない…

でも…


「もし良かったら、僕と付き合って頂けないですか?」


「え?」


「まずは食事に付き合って下さい。 あなたのお陰で七瀬さんとの契約を逃さずに済みました。そのお礼をさせて頂けませんか?」


「そんなお礼だなんて… 契約を取れたのは鈴石さん、じゃなくて光永さんの物件への思い入れが伝わったからだと思います。私は別に」


「僕はそんなあなたがす…」


光永さんの話の途中で私の鞄の中の携帯が着信を知らせた。





< 121 / 216 >

この作品をシェア

pagetop