専務に仕事をさせるには

あっ専務?

専務という表示に嬉しくなり胸が弾む。

私は光永さんに断りを入れて電話に出た。


「はい、瀬戸です」


『リンリン、今どこだ?』


何処って?

何かあったの?


「専務どうかされましたか?」


『もう直ぐ社に着くから』


「えっ? どうしてですか? 今日はあちらにお泊まりの筈では?」


亡くなられた矢野さんの奥様と会長は幼い頃からの知合いでご夫婦の縁を繋いだのは会長でうちの会社が危機の時助けてくれたのが亡くなられた矢野さんだったらしい。

なので葬儀の後、会長と社長、そして専務は矢野さん宅に泊まり亡くなられた方を偲ぶ筈になっていた。

『糞ジィジィの相手するのが嫌で帰って来た。 矢野さんは世話になった人らしいが、俺は会った事も無い人だからな? 思い出話なんて無い。 葬儀だけ出れば良いさ! それに一緒に泊まるならリンリンとの方が良いからな!』


はぁ… 

あのね? 

思い出が有ろうと無かろうと、そこは話を聞く方に徹するのが大人と言うものでしょう?

ったくこれから会社を背負って立つ人なのにこれで大丈夫なの?

自分の欲求の赴くままに行動してて?

この人の奥さんになる人大変だろうな…


「どうかされましたか?」


「あっいえ、何でも無いです」


私の溜息を光永さんは心配した様だ。


『リンリン、側に誰か居るのか?』


「不動産の方です。私もすぐ戻りますから」


駅まで送ってくれると言っていたが、光永さんはいつの間にか会社の方へ車を走らせていた様で私が専務に返事した時には社の近くまで来ていた。


「瀬戸さん、来週時間を取って頂けますか?」


「あの…」


「ご迷惑でしょうか? それならはっきりと行って下さい」


「迷惑だなんて…」





< 122 / 216 >

この作品をシェア

pagetop