専務に仕事をさせるには

「なんで黙って帰った?」


「用を思い出したからです」


「じゃ、なんで何も言わずに帰ったんだ?」


「専務が電話中だったからです」


「あの不動産屋と会っていたんじゃないのか?」


まただ… なんで光永さんが出てくるのよ!?


「違います! 大学時代の友人です」


「じゃ、電話に出なかったのは?」


「出ましたよね?」随分経ってからだけど…


専務は誤魔化さずにちゃんと話せという。

誤魔化すも何も私は本当のことを言っている。

ただ用が合ったという事以外は…

そんな話をしているうちにタクシーは駅に到着した。

専務、急いでくださいと言って私はタクシーを降りた。

しかし、専務はタクシーを降りようとしない。


もぅ、早くしないと新幹線出ちゃう!


「専務!!」


「リンリンも行くなら行ってやる」


ハァ!? 何言ってるのよ!?

子供じゃあるまいし、一人で行けるでしょ?


私達のやり取りを困った様に見ていたタクシードライバーは痺れを切らして「お客さん何とかしてくれませんかね?」と私に泣きつき言う。


私はタクシードライバーにすいませんと謝りどうしようかと考えた。


「専務、私も、これから用が有るので一緒には行けませんが、パティーが終わったら帰って来てください。待ってますから 明日の朝は一緒にフワフワなオムレツを食べに行きましょう?」


専務は分かった7時には帰ってくるからホテルで待っていろと言って新幹線に乗ってくれた。


ホント世話の焼ける男だ…





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