専務に仕事をさせるには
マンション内に入ってからも、渉は凄いなという言葉しか発していない。
確かに凄い。
昨日のマンションも凄かったがここも流石億ションだ。
「で、専務さんはいつ結婚するんだよ?」
「さぁ?」
「さぁ?って…秘書なら色々手配しないといけないだろ?」
「だよね…」
専務からは何も聞かされていない。
いつ、何処で、誰と… 結婚するか一切聞いていない。
仕事関係や政財界、勿論、友人、その他にも個人的にお世話になっている人も多いと思う。
海外で仕事をしていたのだからあちらの人も呼ぶのだろう?
あちらの人も勿論だが、仕事関係や政財界は早めに案内を出さなくてはいけないし、相手によっては直接招待状を持って伺わなくてはいけないだろう。
その為には専務の予定を組まなくてはいけない。
いつ専務は教えてくれるのだろう。
私から聞いた方がいいのだろうか…
考え込んでいると渉から声が掛かった。
「鈴々どうした?」
何でもないと答えると渉は私の肩を抱き笑えと言って私のスマホで写真を取った。
さっき部屋の写真を取るから貸せと言われて渉に渡したのだが、なんで私達の写真を撮る?
それも私のスマホで!
「専務さんに送ってやろうぜ!」
「えっ?ちょっと、馬鹿!止めて!!」
渉の頭をどつき奪い返したが遅かった…
もう! どうしてくれるのよ!?
絶対面倒くさい事になるんだからね!
と、思った時には既に既読になっており、怒りのスタンプが送られてきた。
私は恐ろしくなり直ぐに電源を落とした。