専務に仕事をさせるには

「こんな事、秘書の仕事じゃないだろ? ましてや休みの日に見て回ってさ?」


「ああ、うん… 雑用も秘書の仕事だから…」


一瞬、渉が私と専務との関係を知ってるのかと思った。

でも違ったようでホッとする。

そりゃー私だって不本意だよ…

でも、仕方ないじゃん!

私は秘書だもん…


最後の物件も見て回り、やっぱり私的には最初に見た光永不動産のマンションが一番良いかな?と思っていると隣から声がかかる。


「鈴々、この後どうする?」


「あ、うん、私は洋服を買いに行かないといけないんだよね?あんた暇ならこのまま付き合ってよ?」

月曜からグレイスで働かけて貰う事になっている。

だが、もともと衣装の少ない私はホステスが着るような服は持っていない。

衣装が無くては困る。

まさか仕事着では駄目だろう。

渉は俺はそんなに暇じゃないぞ!と、言いながら付き合ってくれた。

銀座の高級クラブだからあまり安っぽい物はダメだろうと思うが、こんなに高い物だとは思わなかった。


「一着だけでも良いかな?」


「毎日同じ服って訳にはいかないだろ?俺が買ってやるから選べよ?」


「マジ良いの? 渉君太っ腹!よっ!いい男!」


「フン!どうせお前のとこの専務さんが払うんだ!気にするな!」


え?と聞くと渉は必要経費だ言う。

そう言うことか?

まぁ必要経費と言えば確かにそうだ。

ならばと渉に3着買ってもらった。

衣装を買ってもらいお店を出ると外は暗くなっていた。

室内に居ると暗くなっていくのは分からなく、衣装を選ぶのに夢中になっていると時間の経つのも忘れてしまう。


「もうこんな時間? 渉、今日は有り難うね? じゃ!」


私は駅へと向かうと呼び止められる。


「コラッ鈴々!この荷物はどうするんだよ!? せめて夕飯ぐらい奢れよ!!」


形が崩れないようにと衣装は一着づつ箱に入れられた。

あんなの持って専務に会ったら、私のやろうとしている事がバレてしまう。

私の背後で叫んでる渉にごめんと手を振り、荷物は持って帰ってと頼み、次なる目的地へ急ぎ向かう。

衣装は月曜日、グレイスに行く前に受け取ることにした。

渉の予定は聞いてないけど、フォローしてと頼んであるから大丈夫でしょ。





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