専務に仕事をさせるには

専務との約束の為ホテルへ急ぎ向おうとした時、携帯の電源を切っていたことを思い出し慌てて電源を入れる。


「やっば…」


これでもかというくらいの着信の数に怖くなる。

こりゃー相当怒ってるな…

でもそんなに怒ることかな?

普通に友達との写真じゃん?

専務に送られた写真を見るが、笑顔の渉と、突然の事で驚いてマヌケな顔をしている私。

怒られることを覚悟して電話をかけると直ぐに専務は出てくれた。


「遅い!」

なにが遅いのか…
第一声がこれ?相当だわ…

電話の向こうでホームのアナウンスが聞え、ちょうど駅に着いたところだと分かる。

私はお疲れ様です、と言おうとしたがやめた。

こんな時の対象法は心得ている。


「専務お帰りなさい」


電話では顔は見えないが、私は満面の笑顔で声を弾ませて言う。


「ぁ、うん。ただいま」


ほら、機嫌なおった。

私の勝ち!と拳を立てる。

誰と勝負している訳では無いのだが、思わず自分に自分で勝ち誇ってしまった。

私は迎えに行きますと伝え電話を切ると、走って改札口へ向かう。

そして改札口へ向うと、専務が改札を出て来るのが見えた。


「ハァハァ…せ、専務…お待たせ…しました」


全力で走って来た為、息が上り思うように喋れない。


「リンリン走って来なくても良かったのに、それにしても早かったな?」


「ちょうど近くに居たものですから。あれ?社長や会長とご一緒では?」


「年寄りは次の電車だ。俺は前の電車に飛び乗ったんだ。早く帰って来いとリンリンが言ったからな?」


いや、早く帰って来いなどと言った覚えはないが、取り敢えずパーティーは最後まで出席してくれた様でなによりです。





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