専務に仕事をさせるには

暫くして目の前に置かれたグラスには綺麗なグリーンの液体が神秘的な光を魅せてくれる。


綺麗…


魅せられている私の隣から、今日は飲み過ぎるなよ?と声が掛かる。

顔を向ければ専務は右口角を上げ笑う。

専務は初めて会った時の事を引き合いに言っているのだろう。

私はベーと舌を出し、最近ストレスが溜まってますから、飲み過ぎるかもしれないです!?と少し嫌味を込めて言ってみる。

すると専務はストレス溜まってるのか?と少し驚いた顔をして見せ笑うが、私だって人並みにストレスはある。

そのストレスの多くは専務が原因なのだが、当の本人は全く気付いて居ない様だ。

私は覚えていないが、ここは専務と初めて会った場所。

あの時まで専務の事など顔も名前も知らなかった。

ただ、社長の銅鑼息子が専務だという事しか…

あの日、目を覚ました私は、知らない男が隣に居て驚いたが、それよりもその男が自分の会社の専務と知ってどんなに驚いたか…

そして、その日の内に私がその専務の秘書になるとは思っても見なかった。

ましてや体の関係までになるとは…

でも、その関係ももう終る…

そう… 私に課せられた任務はもう直ぐ終るのだ。


泊まっていけるだろと言う専務に会社の経費で無ければと言うと、専務は苦笑いをし、プライベートだからなと言って別の部屋を取ってくれた。

ここは会社が契約している部屋がある。

以前は専務がその部屋を使っていたが、私が家に帰れと言ったのだ。

それ以来、専務は実家から通っている。

仕事ならあの部屋を使っても良いが専務にとってはプライベート。

私にとっては…


カクテルを2杯飲み良い気持ちになったところでバーを後にする。


部屋に入ると抱き寄せられ専務の唇が私のものへと降りて来る。

重なった唇が離れると、一緒に風呂に入ろうと誘われるが、無理だと断ると専務は残念そうな顔をしたが、直ぐに仕方ないか、と言ってひとりでバスルームへ入って行った。

生理の時、求められれば構わず行為をする人も居るらしいが、私は嫌だ。

どんなに好きで全てを受け入れてくれている人でも、自分の姿はいつも綺麗な姿を見ていて欲しい。

本当に好きな人には…





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