専務に仕事をさせるには
窓から射し込む朝日で目を覚まし、昨日カーテンを閉めなかった事に少し後悔する。
5時頃だろうか…
どうしてかな?
ずっと抱き締められて眠った様だけどぐっすり眠れた。
専務がマッサージをしてくれたお陰?
それもあるだろうけど…多分、私安心してるんだと思う。
今まで付き合った人とこんなふうに気持よく朝を迎えた事は無かった。
一緒に朝までベットを共にしても、窮屈で朝まで一睡も出来なかった。
抱きしめられてなくても、同じベットに誰かが居るだけで窮屈で眠れない。
でも…専務だけは初めから違った。
こんなに安心できる人、他に出会えるかな?
無防備に眠る専務の顔が可愛くて、小野課長が言っていた専務の子供の頃の話を思い出す。
子供の頃の専務、本当に可愛かったんだろうな…
ちょっと生意気で、誰よりも母思いの専務。
会ってみたかったなぁ…
もし、今、子供の頃の専務に会ったらなんて声掛けるだろう…
『君は大人になってもいい男になるよ!でも、ひとりの女性だけを愛してね?』
こんなふうに子供の頃の専務に言ったら、専務は何て言うかな?
クスクス笑っていたら専務は目を覚ましたようで、目を瞑ったままの専務にどうした?と聞かれ何でも無いですと言いながらも私はなおも笑う。
専務は片目を開け「人の顔見ていつまで笑ってる?」と少し渋い顔をして私を抱いてる腕に少し力を入れる。
「専務、もう起きませんか?」
「いや、もう少しこうして居よう?」
「えーオムレツ食べに連れて行ってくれるんですよね?早く行かないとお店込みますよ?」
「大丈夫、席を空けておいてくれるから心配するな!もう少しリンリンとこうしていたい」
昨夜、専務はマッサージしてくれた後、何もしないで直ぐに眠った。
多分、専務も疲れていたのだろう。
それなのに私の体を気遣いマッサージをしてくれるなんて。
本当に優しい人なんだから…
「仕方ないですね?もう少しだけですよ?」
私は専務の胸に顔をうずめてそう言い、専務の背中に腕を回した。
「リンリン、仕事でもプライベートでも、なにかあれば言えよ?ストレスは貯めるな?」
え?
顔を上げれば心配そうな専務。
昨夜、私がバーで言った事を覚えていたようだ。
「大丈夫です。ストレスの発散方法は知ってますから」
私は専務の顔を見てニッっと笑って見せる。
「おい!俺のいない所で発散するな!?発散する時は俺と一緒の時だけだぞ!良いな!?」
私は笑って気をつけますと返事をした。