専務に仕事をさせるには
何が一石二鳥だ!?
ホント遣ることしか考えて居ないんだから!?
アホ!
溜息を付いていると専務の電話が鳴った。
専務は電話に出ると二言三言会話をした後、険しい顔をし、「俺の方で何とかしてみます」と電話を切った。
「専務?」
「リンリン悪い、今から社に戻る事になった」
「えっ?なにか問題でも?」
私は何も分からず、ただ専務の後について慌ただしく智也さんの店を後にした。
「専務!何があったんですか?」
「中国からの船に荷物が載っていないらしい…」
え?
うちは国内に工場を持ち、製縫をしているが、材料の一部は海外から輸入している。
荷物が載っていない?どういう事?
そんな事考えているより、次の便の手配をしないと!
「じゃ、急いで次の便で載せて貰わないと?」
「それが無理なんだ」
専務の話では、工場から港へ向かうコンテナが行方不明だと言う。工場にも在庫は残っていないらしく、次に出荷出来るのは早くて3ヶ月後だと言う。
「そんな…」
「俺は社に戻ってなんとか手を打つから、悪いがリンリンは途中の駅から電車で帰ってくれ」
「何言ってるんですか!?私も一緒に行きます!」
私は体を専務に向け力強く言う。
私は専務の秘書、今日が日曜で休みだろうと関係ない。
この一大事に家に帰るなんて出来る訳がない。
しかし、専務はそれを受け入れなかった。
「リンリン、君は体を休めろ!昨日はマンション探しで動き回っていただろ?日曜まで仕事させたら、君の休みは無くなる」
「でも、私は専務の秘書ですよ!?専務が仕事するなら秘書の私も仕事します!」
「リンリンの気持ちは嬉しいが、リンリンの出来る事はなにも無い」
え…
私に出来る事は無い…
それから暫くして車が止まった。
「じゃ、リンリン気を付けて帰れよ?」