専務に仕事をさせるには

中国からの荷物が行方しれずとなって2日後、専務の以前勤めていた会社の紹介で何とか手配が出来る事になり、専務と室長は契約の為中国へ飛んだ。

契約は問題も無く無事に済、荷物も空輸で送ってもらい、工場のラインを止めずに済んだ。

だが、専務と室長はまだ中国から帰って来ていない。

私は室長の居ない間、社長秘書代理を務めていた。

「おはようございます。本日の予定は13時から店舗の視察、19時から橘屋、葛城社長と会食となっています。それから、こちらは目を通して頂きたい書類と、郵便物です。よろしくお願いします」

「そう、有難う」

「今、お茶を入れてまいります」

社長はいつも朝は日本茶を好んで飲まれる。

私は一礼して部屋を出ようとした時、社長から今日はコーヒーをお願い、と頼まれた。

畏まりました、と社長室を出て給湯室へ向かうと煙草をふかす鈴木さんが居た。

ここは禁煙なんだからこんな所で吸わないで欲しい!

一緒に居ると私の服まで煙草の臭いがつく。

「おはようございます。煙草は喫煙所でお願いします」

「忙しいから喫煙所まで行ってらんないのよ!」

会社は社員の健康の為に禁煙を推進しているが、喫煙者がストレスを溜めないように喫煙所を設けている。

この重役フロワーも禁煙になっているが、重役室はその部屋の主にどうするか任せている。

煙草を吸いたいなら、喫煙者の重役室か、5階と、10階の喫煙ルームとなる。

秘書がまさか重役室で煙草を吸うわけにはいかない為、10階まで下りなくてはいけない訳だ。

「でも!」

「瀬戸さん、あなた、先輩の私に意見するの!?いくら今、社長秘書でも代理でしょ!?偉くなったなんて思わないでよ!?」

「私はただルールを…」

「ルール??秘書として半人前のくせに私にルールを教えてくれるって言うの!?あなたが秘書として使い者にならないから室長が代わりに中国へ付いて行ってるのでしょ!?お陰で雑用が私に回って来ていい迷惑よ!!」

「………」

「社長にお茶淹れるだけで給料が貰えるなんていい仕事よね?」

鈴木さんはそう言って給湯室を出て行った。

私が秘書として全く役に立っていない事は誰よりも、この私が分かっているわよ!?





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